競馬基礎知識

牝馬三冠を達成したのは7頭!条件を満たすレースや歴代達成馬を紹介!

「牝馬三冠とはどのレースを勝てばいいの?」
「牝馬三冠を達成した馬を知りたい!」

こんな疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、牝馬三冠の条件を満たすレースと、達成したサラブレッドについて紹介します。

最後まで読めばその疑問すべて解決しますので、ぜひご覧ください!

牝馬三冠の条件を満たすレースとは?

牝馬三冠の条件を満たすレースは、3歳の牝馬(メス馬のこと)に限って出走できる、以下の3つのことです。

  1. 桜花賞
  2. オークス(優駿牝馬)
  3. 秋華賞

それでは、順番に見ていきましょう!

牝馬三冠の1冠目:桜花賞

牝馬三冠1冠目の桜花賞イメージ
牝馬三冠レースの1冠目は桜花賞です。

例年4月上旬から中旬に、阪神競馬場の外回り1600mコースで行われます。

ルーツは、戦前の中山4歳牝馬特別というレースですが、桜花賞という名称のレースとしては戦後の1947年から始まっているのです。

1950年からは阪神競馬場の1600mのレースとして、今と同じ条件で現在に至ります。

なお、4歳とは過去馬の年齢を2000年までは「数え年」で表記していたためで、実際には今と同じ満3歳を意味していることに注意して下さい。

また、イギリスの歴史ある3歳馬限定レースである、いわゆるクラシックレースの1つでもあり、牝馬限定レースでもある「1000ギニー」が、桜花賞のモデルなのです。

そして、桜花賞自体、日本のクラシックレースに該当することでも知られています。

クラシックレースの中でも、もっとも短い距離で行われることから、スピードに長けた馬が伝統的に活躍しています。

牝馬で名馬と呼ばれるクラスの多くが、歴代の桜花賞馬として名前を残しています。

牝馬三冠の2冠目:オークス(優駿牝馬)

牝馬三冠2冠目のオークスのイメージ
牝馬三冠レースの2冠目はオークスです。

例年5月中旬から下旬に、東京競馬場の2400mコースで行われます。

ルーツは、戦前の阪神優駿牝馬というレースですが、優駿牝馬という名称のレースとしては戦後の1946年から始まっているのです。

同時に開催競馬場も東京競馬場で、距離も2400mと今と全く同じ条件に変更になり、1952年までは秋のレースとして施行されていました。

なお、「オークス」という普段使われるレース名は、1965年から付けられた、本来は副称です。

また、オークスを「樫(かし)」と訳したことから、オークス勝利馬を「樫の女王」と呼ぶことがあるものの、オークスは実際には「楢(ナラ)」の木の仲間を意味しているという説が有力です。

オークスもイギリスのオークスをモデルとしており、クラシックレースとして扱われています。

牝馬三冠レースの中で、もっとも長い距離で行われることもあり、以前は「荒れるレース」という印象がありました。

近年は比較的桜花賞の上位馬が順当に上位を占めることが多く、わりと人気通りの結果になることが多いです。

牝馬三冠の3冠目:秋華賞

牝馬三冠3冠目の秋華賞イメージ
牝馬三冠レースの3冠目が秋華賞です。

例年10月中旬に、京都競馬場の内回り2000mコースで行われます。

ルーツは、1970年に設立された「ビクトリアカップ」(現在のヴィクトリアマイルとは別物)という、旧4歳牝馬限定の京都競馬場2400mで行われていたレースです。

その後、施行条件が同じままで「エリザベス女王杯」へと名称が変更され、1996年より名称を秋華賞へ変更して、今と同じコースで行われるようになりました。

この際、エリザベス女王杯は時期を11月中旬までズラすとともに、4歳以上の牝馬にも開放され、同時に施行距離は2200mへと短縮されています。

牝馬三冠レースではありますが、イギリスのクラシックレースには該当するレースがないこともあって、唯一の非クラシックレースです。

桜花賞やオークスという、春のクラシック時点で実力を発揮していた馬と、夏以降に力をつけてきた馬との戦いという構図になることが多くなっています。

また、秋華賞のあとは、多くの馬がエリザベス女王杯へと出走し、牝馬三冠後の世代を越えた牝馬のナンバーワンを争う形になります。

牝馬三冠の歴代達成馬は?

同世代の牝馬限定で戦っているとはいえ、牝馬三冠レースをすべて制することが難しいことに変わりはありません。

一方で、この偉業を成し遂げた馬も、数は少ないものの7頭存在しています。

  1. メジロラモーヌ
  2. スティルインラブ
  3. アパパネ
  4. ジェンティルドンナ
  5. アーモンドアイ
  6. デアリングタクト
  7. リバティアイランド

では、順番にどんな馬かを見ていきましょう!

(1)メジロラモーヌ(1986年)

牝馬三冠を達成した1頭目は、メジロラモーヌです。

1986年、日本競馬史上初の牝馬三冠馬になり、秋華賞がまだエリザベス女王杯として行われていた頃の、唯一の牝馬三冠馬としても知られています。

さらに、桜花賞、オークス、エリザベス女王杯の各三冠レースのトライアルレースも、本番前に全て勝利するという、唯一の偉業を成し遂げた馬です。

1987年には顕彰馬に選出されました。

(2)スティルインラブ(2003年)

牝馬三冠を達成した2頭目は、スティルインラブです。

2003年に秋華賞が三冠レース扱いとなってから、初めての牝馬三冠馬です。

しかし、桜花賞から秋華賞まで全て2番人気での勝利であり、ライバルだったアドマイヤグルーヴには人気では勝てませんでした。

また、秋華賞の次走として出走したエリザベス女王杯で、アドマイヤグルーヴの前に2着と敗れ、そこから1度も勝てずに引退しました。

(3)アパパネ(2010年)

牝馬三冠を達成した3頭目は、アパパネです。

2010年の牝馬三冠馬ですが、史上初の2歳牝馬チャンピオン(2009年の阪神JF勝利馬でもある)からの牝馬三冠馬です。

牡馬三冠馬で同じ偉業を成し遂げたのは、最強馬候補の一角であるナリタブライアン(旧朝日杯3歳S)しかいないことでも、その難しさがわかるでしょう。

古馬になってからも、2011年のヴィクトリアマイルで勝利しています。

(4)ジェンティルドンナ(2012年)

牝馬三冠を達成した4頭目は、ジェンティルドンナです。

牝馬ながら、3~4歳時ジャパンカップ連覇に引退レースとなった有馬記念制覇と、史上最強牝馬との呼び声高いジェンティルドンナも、2012年に牝馬三冠を成し遂げた1頭です。

2016年には顕彰馬に選出されています。

牝馬三冠レースでは、秋華賞以外は1番人気ではなかったものの、オークスでは従来のオークスレコードを1秒7も塗り替える、2分23秒6のタイムで後続を千切って実力を見せつけました。

(5)アーモンドアイ(2018年)

牝馬三冠を達成した5頭目は、アーモンドアイです。

ジェンティルドンナ同様、史上最強牝馬候補に一躍躍り出たアーモンドアイも、2018年に牝馬三冠を達成しました。

秋華賞あとの古馬に初挑戦したジャパンカップでは、馬場状態の恩恵があったとは言え、2分20秒6という、コースレコードのみならず2400mのワールドレコードを更新するなど、世界へ向けてさらなる飛躍が期待される1頭です。

(6)デアリングタクト(2020年)

牝馬三冠を達成した6頭目は、デアリングタクトです。

デアリングタクトは2020年に史上初の無敗で牝馬三冠を達成した競走馬となります。

なんと、この年には牡馬三冠を無敗で達成したコントレイルとダブルでの快挙でした。

コロナ禍に入った年で、日本人にたくさんの勇気をくれたサラブレッドです。

(7)リバティアイランド(2023年)

牝馬三冠を達成した7頭目は、リバティアイランドです。

ドゥラメンテ産駒で2戦目のアルテミスステークスで2着に破れるものの、強烈な末脚を武器に牝馬三冠レースでは他馬を寄せ付けず勝利。

川田騎手はリバティアイランドのことを「お嬢さん」と呼んでいる。

2023年のジャパンカップでは優勝馬イクイノックスの2着のため、2024年はさらなる活躍に期待。

整備されて三冠馬がより誕生しやすくなった牝馬三冠レース

三冠目が、時代と共に条件やレース名が変更になったとは言え、牡馬三冠と同様に重みのある牝馬三冠レース。

2000年代以前、メジロラモーヌしか牝馬三冠の偉業を成し遂げられなかった原因としては、牝馬特有の体調管理の難しさや、秋までの競走能力の維持の難しさが挙げられていました。

しかし、最近では調教技術および体調管理技術の向上もあり、2000年代以降は4頭も牝馬三冠馬が誕生しています。

また、以前は桜花賞とオークスの800mの距離差が高いハードルとなっていました。

しかし、阪神競馬場のコース改修により、桜花賞のレース形態が変わったこともあり、桜花賞で活躍した馬がオークスでも活躍しやすくなったことも、牝馬三冠がやや容易になった理由とされています。

これからも、牝馬三冠の各レースでしのぎを削る牝馬達の中から、牡馬にも負けず世界を相手に出来る馬が誕生することを期待しましょう。

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