JRAの競馬が開催される競馬場は全国に10ヶ所あります。
それぞれ特徴が違うので、どの競馬場で行われるレースなのかという点も、馬券の検討の際には大切な判断要素になると言えるでしょう。
なかには特定の時期にしかレースが行われない競馬場もあり、その季節に旅行を兼ねてレースを見に行くという競馬ファンも少なくありません。
ここでは全10ヶ所の競馬場の特徴を、馬券の検討に繋がりそうな点をメインに見ていきたいと思います。
目次
東京競馬場の特徴
東京競馬場は東京都の府中市にあるJRA最大の競馬場です。
この競馬場は反時計回り(左回り)で、最後の直線がとても長いのが特徴となっており、別名で府中競馬場とも呼ばれることもあります。
同じ競馬場で行われるレースでも距離によってスタート地点が違いますが、ゴール地点は全て一緒です。
よって、この競馬場のレースはどの距離で行われるレースでも約500mもある最後の直線を必ず走ることになります。
さらに、その直線の前半は緩やかな上り坂になっているので、最終コーナーを回った時点での順位があまりアテにならず、最後までドキドキできるレースが多いと言えるでしょう。
日本ダービーやジャパンカップ、天皇賞(秋)など、有名なG1が多数開催されます。
中山競馬場の特徴
中山競馬場は千葉県の船橋市にあり、年末の大レース「有馬記念」が開催されることでも有名です。
この競馬場は時計回り(右回り)で、地方の競馬場のように比較的小回りな競馬場となっています。
そして、最後の直線は300mくらいしかありませんが、途中から残り70mまで日本一キツイと言われる高低差2.2mもある上り坂が続きます。
そのため、見た目よりもスタミナが必要な作りとなっており、どのレースもゴール前まで目が離せません。
なお、東京競馬場のように別名で船橋競馬場とは呼びません。その名前の競馬場はJRAとは別に存在するので注意してください。
有馬記念や皐月賞、スプリンターズステークスなど、有名なG1が開催されます。
阪神競馬場の特徴
兵庫県宝塚市にある阪神競馬場は小回りの競馬場だと言うことができますが、独特で特徴のある難しいコースとなっています。
レースは時計回り(右回り)で行われ、残り約800mのコーナーの途中から直線に入った約200mまでは緩やかに下っています。
そこから残り約80mまで一気にキツイ上りになるので、いかに最後までスタミナが持つかが勝敗のポイントです。
こういった特徴から、小回りの競馬場としては最後まできちんと走り切るスタミナが必要とされる、予想の難しい競馬場の1つです。
宝塚記念や大阪杯、桜花賞などの有名なG1が開催されます。
京都競馬場の特徴
京都競馬場では時計回り(右回り)でレースが行われ、別名で淀競馬場とも呼ばれています。
最後の直線に高低差がある競馬場が多いなか、この京都競馬場はその直線がほとんど平坦なのが特徴です。
しかし、そこに至るまでの第3コーナーの入り口から坂の上りになり、途中から第4コーナーを抜ける手前の残り約600mまで下りになるので、レースではこの間での駆け引きがポイントになります。
そして、直線も約400mと結構な長さがあるので、坂を下ってからの最後の勝負もとても見所です。
天皇賞(春)や菊花賞、マイルチャンピオンシップなど有名なG1が開催されます。
中京競馬場の特徴
中京競馬場は愛知県豊明市にあります。
現在ではJRA専用の競馬場となっていますが、かつては地方競馬でも使用されていました。
コースは反時計回り(左回り)で、残り約1500m地点から1000m地点手前まで緩やかに上っており、そこから第3コーナー、第4コーナーを曲がり、約400mある直線の途中の残り約300mまでずっと下っています。
そして、ここで100mほど急激な上り坂になるという特徴的なコースのため、特に短距離戦ではずっと前を走っていた馬が、この地点で急に止まってしまうことも珍しくありません。
スタミナが必要な長距離戦でも、直線の叩き合いでこの急坂が最後の勝負となるので、ゴールまで目が離せないレースが多いのが、中京競馬場の特徴だと言えるでしょう。
高松宮記念やチャンピオンズカップの有名なG1が開催されます。
新潟競馬場の特徴
新潟競馬場は2001年に大改修が行われた競馬場で、アイビスサマーダッシュなどが盛り上がる夏は、観光スポットとして訪れるお客さんも多くなっています。
レースは反時計回り(左回り)で開催され、コース全体を通して高低差はほとんどありませんが、最大の特徴はその直線の長さです。
周回レースになる距離のレースでは東京競馬場を超える約600mの直線を走ることになり、最後の勝負がとても面白い競馬場だと言うことができます。
さらに、直線で1000mのレースができるのはこの競馬場だけです。
まるで、陸上の100m走のような1000m戦が開催できるのが、この競馬場の一番の売りとなっています。
福島競馬場の特徴
JRAで東北にある競馬場はここだけで、福島市にあるため、一時期は震災の影響で開催不能となってしまいました。
しかし、現在では綺麗に修復され、問題なく予定通りに開催が行われています。
時計回り(右回り)のコースは周回を通してそれほど高低差のない小回りコースです。
レースでは道中からあまり差のつかない展開になることが多く、直線も250m程度しかありませんので、逃げ切りというレース展開が多い競馬場となります。
このような特徴から、スピード自慢の逃げ馬はこの競馬場では狙い目になるかも知れません。
小倉競馬場の特徴
新潟、福島の各競馬場が関東の夏場開催なのに対して、この小倉競馬場では関西の夏場開催が行われます。
福岡県の北九州市にあるため、この季節にはとても気候がよく、観光客もよく観戦に訪れています。
時計回り(右回り)の小回りコースで、残り約1300mから約1000mまで下り坂になり、その後は平坦になりますが、ゴール地点から先ほどの残り1300mまでが上り坂となっているので、周回レースではこの間の展開に注目です。
直線は約300mでその間に坂はないため、短距離では最終コーナーから一斉によーいドン!というレースも多くなっているのが特徴です。
札幌競馬場の特徴
札幌競馬場は、ほとんど平坦な作りということと、長めの芝の洋芝ということが特徴となります。
札幌競馬場は夏の新馬戦開催が多いことでも有名ですが、G1級のメンバーが揃う札幌記念も見所です。
この競馬場は小回りの時計回り(右回り)で、直線は約250mです。このような作りから、まだあまりレースに慣れていない新馬や若い馬にはとても向いているコースとなっています。
逆に、とても単調とも言えるコースのため、大きなレースはほとんど行われません。
新馬戦以外にも未勝利戦や条件戦が多く行われるため、まずは比較的走りやすいこのコースで経験を積み、ほかの競馬場へのステップとすることが多いです。
函館競馬場の特徴
この函館競馬場は今ではすっかりローカル開催用となっていますが、実はJRAで一番歴史のある競馬場です。
何度も改修が行われ、今でも多くのレースに使用されており、芝の長い洋芝も特徴といえます。
コースは時計回り(右回り)で、周回を通してゆったりと下ってゆったりと上るという作りになっています。
残り約1600mから下り坂になり、1000mくらいから今度は上り、最後の400mからはまた下るというコースです。
最後の直線は約270mで、下りの加速がついたままゴールになるため、ゴール前のスピード感が魅力です。
そのため、追い込み馬に差されそう馬が最後まで粘ってしまうということも少なくありません。そのようなことも考慮した上での予想が必要な難しい競馬場とも言えるでしょう。