競馬をやってみると、差しについてこんなギモンが出てきます。
「競馬の差しってなに?」
「差しってどんな脚質?」
「差しの得意な競馬場やペースって?」
この記事を最後まで読めば、これらすべてのギモンを解決できますので、ぜひご覧ください!
競馬の差しとはどんな脚質?
競馬の差しとは、レース中は馬群の中団もしくは後方にポジションを取ります。
そして、直線に入るときに先頭集団を射程圏にとらえた位置にまで上がっていく脚質のことです。
馬群の中でも我慢できる精神力の高さにくわえ、直線で前にいる馬を追い抜く瞬発力と、並んで抜かせない勝負根性が必要になります。
ただし、気性が勝った(負けず嫌いで前に行きたがる)馬を、逆に馬群に閉じ込めることで暴走させないようにする戦法としても、利用されることがあります。
一般的に、サラブレッドは前にいる馬を追い抜こうとする習性が強く、その点で差しは理にかなった脚質と言えるかもしれません。
一方で、馬群に包まれて抜け出せないケースもあり、内枠に入ったときは注意が必要です。
差し馬が得意なペース・競馬場は?
競馬の差し馬にも得意なペースや競馬場がありますので、どういった展開が有利なのか見ていきましょう。
差し馬が得意なペースはハイペース
競馬の差し馬が得意なペースは、逃げ馬や先行馬がスタミナをロスをするハイペースです。
ただし、先行集団にスタミナや持続力に優れた馬がいて、さらに先行集団と差し馬の距離間が開いている場合は、必ずしもそうとは言えません。
最終コーナーでその馬たちを射程圏内にとらえるまでに、距離を一気に詰めていく必要があるからです。
その間に、差し馬がスタミナを大きくロスして、逃げ・先行馬がそのまま残ることもあります。
この場合は、差し馬にも優れたスタミナが重要です。
差し馬が得意な競馬場は直線の長い競馬場
通常は、直線で追い抜く余地が増える、直線距離の長い競馬場やコースが差し馬に有利です。
具体的には、東京競馬場や新潟競馬場、そして阪神競馬場や京都競馬場の外回りコース、中京競馬場です。
一方で、差し馬でも鋭い差し脚を持続して使えない馬もいるため、そのような場合、直線が短い方が好成績を挙げることもあります。
競馬で差しを代表するサラブレッド5頭
競馬で差しを得意戦法とする、名馬たちを5頭紹介します。
- オルフェーブル
- シンボリクリスエス
- スペシャルウィーク
- ナリタブライアン
- オグリキャップ
では、1頭ずつ見ていきましょう。
差し馬(1)オルフェーブル
競馬で差しを得意とする代表のサラブレッド1頭目は、オルフェーブルです。
3歳の春に急成長してから、破壊的な強さで三冠馬になりました。
レース後に騎手を振り落とそうとしたり、レース中にコースを外れそうになったりする破天荒さもあり、ファンをやきもきさせたことでも知られています。
2年連続で凱旋門賞2着と、日本競馬界悲願の凱旋門賞制覇にもっとも近付いた馬です。
差し馬(2)シンボリクリスエス
競馬で差しを得意とする代表のサラブレッド2頭目は、シンボリクリスエスです。
海外生産馬ながら、3歳で天皇賞(秋)や有馬記念を勝ち、引退レースの有馬記念では、後続を突き放して当時のレコードタイムで優勝しました。
2年連続でJRA年度代表馬に選ばれるほど、安定して活躍した馬です。
差し馬(3)スペシャルウィーク
競馬で差しを得意とする代表のサラブレッド3頭目は、スペシャルウィークです。
初期サンデーサイレンス産駒のなかで、サイレンススズカと共に代表産駒として挙げられます。
スタミナと瞬発力の両方に優れ、グラスワンダーやエルコンドルパサーと共に、98年世代を代表する1頭です。
差し馬(4)ナリタブライアン
競馬で差しを得意とする代表のサラブレッド4頭目は、ナリタブライアンです。
いまでも、最強馬の最有力候補に挙がる1頭で、全盛期にはどこまでも伸びる差し脚を披露して、距離が伸びるほど着差を広げながら三冠馬となりました。
ケガをした股関節炎発症後は能力がかなり落ちましたが、それでも3200mの天皇賞(春)の直後に1200mの高松宮記念に出走するなど、非凡な能力を見せつけました。
差し馬(5)オグリキャップ
競馬で差しを得意とする代表のサラブレッド5頭目は、オグリキャップです。
ハイセイコーとならぶアイドルスターホースで、有馬記念や安田記念を勝ちましたが、引退レースとなった有馬記念の復活劇で、世間を大興奮させた馬です。
マイル戦で先行できるスピードもありましたが、中団の前にポジションを取り、そこから差せる瞬発力も高いものがありました。
差しは先行とともに主流になりつつある脚質
近年において、有力馬の戦法として差しが特に有効な戦法と認識されてきました。
その理由は、考えられるだけでもいくつかあります。
まずは、瞬発力と勝負根性に優れているが、気性が勝った馬が多いサンデーサイレンス系の産駒が多数になってきたこと。
そして、瞬発力勝負になりやすいレース展開が多くなってきたこと。
さらには、軽くなった芝コースの馬場状態が挙げられます。
これから先この傾向が続けば、差しが有力馬の主流な戦法として、より積極的に用いられるかもしれません。
▼その他の脚質についてはこちらの記事をご確認ください!