函館競馬場はJRA(中央競馬会)において、いわゆるローカル開催がおこなわれる競馬場の1つです。
夏の北海道開催時のみ、札幌競馬場と共にレースが行われます。
中山・東京・京都・阪神競馬場と比較して知名度は劣りますが、1896年に開場された、現存するJRAの競馬場で最も歴史あるコースでもあります。
また、競馬場のスタンドから海が見える唯一の競馬場としても知られ、眺望の良さも特筆できるでしょう。
行われる重賞レースとしては、函館スプリントステークス、函館記念、函館2歳ステークスとなります。
函館競馬場の特徴
函館競馬場の特徵としてまず挙げられるのは、芝の種類が北海道以外のJRAの競馬場と違うという点です。
洋芝である
函館競馬場は、札幌競馬場と同じく、年中緑で枯れない3種類の洋芝が生えています。
洋芝はほかの芝と比較して寒さに強いためですが、クッション性が高くタイムが掛かりやすいという特徵があります。
競馬場の中で一番直線が短い
もう1つ重要な特徵は、芝コースの4コーナーからゴールまでの直線距離が、JRAの競馬場の中で最も短い約262m(ダートコースは約260m)という点です。
そのため、全体的に逃げ・先行脚質の馬に有利なコースとされていますが、コース全体としては3.5mの高低差があってタフな面もあります。
芝1,000m
向正面の直線部分からスタートして、カーブに入る3コーナーまで約290mとなっています。
ただし、この間が上り坂になっているので、先行争いはさほど激しくならない傾向にあります。
直線の短さもあって、圧倒的に逃げ・先行馬に有利なコースで、内枠が有利です。
その一方で、ほぼ全てのレースが2歳の新馬・未勝利戦で組まれており、特に出走経験のない馬だけの新馬戦では、脚質の判断が難しい部分があります。
芝1,200m
向正面の直線部分からさらに外にはみ出した、ポケットと呼ばれる地点から発走します。
3コーナーまで約490mあるうえに上り坂のコースのため、洋芝の影響と共にパワーの必要なコースです。
そのため、直線の短さから逃げ・先行馬が活躍する一方、開催が後半になり芝が傷んでくると、勝利は難しいく、差し馬や追い込み馬も馬券圏内に届きやすい特徵があります。
基本的に内枠が有利で外枠が不利なコースですが、なぜか6枠だけは勝率も高く注意が必要です。
芝1,800m
正面スタンド前から発走しますが、最初のカーブの1コーナーまで280m弱しかありません。
そのため、先行争いが激しくなるヒマがなく、逃げ・先行馬が圧倒的に有利です。
一方で、1枠はともかく、ほかの内枠はそれほど顕著に有利なデータはありません。
また、意外なことに3コーナー手前で後方から一気にあがって、最後の直線までに先行集団に取り付く、「マクリ」と呼ばれる脚質も結果が出ています。
全体的に見れば、1枠に有力な逃げ・先行馬がいた場合、かなり信用して良いと言えるでしょう。
芝2,000m
正面スタンド前の直線で、4コーナーより奥にあるポケットからスタートします。
1コーナーまで480m弱もあって下り坂のため先行争いはそれほど激しくないものの、わりと最初からペースが上がる傾向にあります。
こちらも逃げ・先行馬が有利ですが、マクリ脚質の馬も馬券圏内に来ることがかなりあるので要注意です。
1枠がわりと有利で大外の8枠がかなり不利という以外は、あまり枠順は気にしなくても良いでしょう。
芝2,600m
1,000mのスタート付近からスタートし、コースを1周半します。出馬してからかなり緩やかにレースが流れる傾向にあるコースです。
ただし、函館競馬場特有の高低差が後半のスタミナに響き、マクリ脚質の馬が馬券圏内に来ることがかなりあります。
先行脚質とマクリ脚質の馬を重視しましょう。
枠順は1枠2枠の内枠がかなり有利で、真ん中から外は8枠以外はほとんど結果を残せていません。
ダート1,000m
向正面の直線のスタート位置から、3コーナーまで約370m程度で上り坂とあって、芝1,000mと同じようなコースです。
レースとしては、3歳以上の未勝利戦や下級条件が多いです。
また、ダート短距離という特性から、逃げ馬が圧倒的に有利で、馬券になるのは先行馬までという特徵があります。
しかし、そのことで先行争いが激化するため、内枠で上手く先行できないと最後まで閉じ込められて動けない傾向にあります。
そのため、内外の枠順ほとんど有利不利がなく、むしろ若干外が有利なぐらいですから、気にするのは脚質だけで構いません。
ダート1,700m
直線のスタンド前のスタートで、1コーナーまでの距離は約330mとなっています。
スタート直後から下りが続くので、先行争いこそあまり起きないものの、ハイペースになりがちです。
逃げ・先行馬が有利なのは変わりませんが、マクリ脚質の馬も馬券圏内に来る確率がかなり高くなっており、この点には注意が必要です。
枠順は、1枠の場合は馬群に閉じ込められると動けなくなるため脚質に注意し、2枠と外枠が有利な点を抑えましょう。
ダート2,400m
向正面の直線のスタート位置から3コーナーまで約290mであり、ペースが速くなることはまずありません。
ただし、芝2,600mと同様に高低のあるコースを1周半するので、スローペースでもスタミナが問われます。
枠順としては内枠が圧倒的に有利で、逃げ・先行馬とマクリ脚質しか馬券にならないと言っても過言ではありません。
一方で、逃げ馬は勝つ可能性は高いものの、馬券圏内に入らないこともあり、先行馬とマクリ馬を重視しておきましょう。
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