競馬に詳しくない人でも、日本ダービー(東京優駿)という大レースがあることは知っているのではないでしょうか。
その、日本ダービーが開催される競馬場が東京競馬場であり、東京都府中市にあることから、府中競馬場とも言われています。
そして、ジャパンカップや天皇賞(秋)などのG1と呼ばれる日本最高峰のレースの多くがこの競馬場で開催され、日本でもっとも権威のある競馬場です。
そんな東京競馬場の特徵について、色々と解説していきます。
目次
東京競馬場の3つの特徴
東京競馬場の最大の特徵は、そのコースの広さにあります。
芝コースの1周の距離は約2,080mと、新潟競馬場に次ぐ広さなのです。
さて具体的な特徴は以下の3つです。
- 長い直線がある
- 1周に2度の坂越えがある
- ダートコースもタフである
では、順番に見ていきましょう!
(1)長い直線がある
コースの広さは、最後の直線の長さにも表れています。
芝コースのゴール前の直線は約525mで、これも新潟の外回りコースに次ぐ長さです。
コーナーのカーブも緩やかなことで、直線の長さと併せて、後方から行く馬でも不利になることが少ないコースと言えるでしょう。
(2)1周に2度の坂越えがある
東京競馬場の芝コースは、ゴール前の直線と向正面の直線の2つの直線にそれぞれ坂があり、どの距離のレースでも2度の坂越えが必要です。
そして、ゴール前の直線の坂は高低差2m、向正面の直線の坂は高低差1.9mとなっているので、パワーとスタミナが消費されます。
(3)ダートコースもタフである
東京競馬場のダートコースは1周の距離が約1,900m、直線の長さが約500mとなっており、まさしく日本一広いダートコースです。
こちらも2度の坂越えが必要となりますが、高低差が2.4mと芝コースより起伏が大きくなっている点も注目でしょう。
芝1400m
東京競馬場の芝コースではもっとも距離の短いコースです。
スタート直後に上り坂があるうえ、300m程で3コーナーのカーブに入るため、短距離レースのわりにハイペースになりづらいと言えます。
そのせいもあり、東京競馬場全体の傾向よりも、前で競馬する逃げ馬や先行馬が馬券圏内に入る可能性が高いです。
特に逃げ馬には要注意です。
また、枠は内枠のほうが有利で外枠が不利となっていますが、これはスタートからコーナーまでの距離が短いことが影響しています。
外枠の馬が終始外を回されることで、その分距離を長く走らされることが理由となっているようです。
この傾向は、レベルの高いG2やオープンクラスでも変わらず、内枠の逃げ・先行馬を積極的に狙いましょう。
芝1600m
安田記念やNHKマイルC、ヴィクトリアマイルなどのG1レースが施行されるコースです。
向正面の直線の端近くからスタートするので、カーブが1回だけということもあり、非常に直線配分の高いコースとなっています。
スタート直後から3コーナーまでの直線が長いので、先行争いもさほど激しくならず、枠順の有利不利はほとんどありません。
ただし、直線配分の多さもあって、ペースにかかわらず基本的に差し馬など、わりと後方からの脚質馬が有利なコースとなっています。
また、短距離に属する距離ですが、スタミナがない馬は上位に食い込むのが厳しいコースでもあります。
特にレベルが高いレースでは、1800m以上にも距離実績のある差し馬が狙い目です。
芝1800m
芝1800mコースのスタート位置は、1コーナーと2コーナーのカーブの途中にある、ポケットと呼ばれる場所にあります。
向正面の直線の入り口である2コーナーまでは約160m程度であり、直線的ではあるものの斜めに入っていく形です。
そのせいもあって、わりと内枠が有利なコース設定です。
ただし、先行争いにはあまりならず、1400mと同様に前目にポジションをとった逃げ・先行馬が残ることも多くなっています。
一方で、馬群が固まりやすいこともあり、脚質だけでなく瞬発力が問われやすい傾向にも注意しましょう。
芝2000m
天皇賞(秋)が行われるコースで、1コーナーの奥にあるポケットからスタートします。
芝1800mコースが、2コーナーまで直線的に入るのに対し、2000mはスタートしてから向正面の直線まで、わりと曲線的に入るのが特徵的です。
そのため、出走数の多い多頭数のレースでは、外枠の馬が常に外を回される傾向にあり、外枠が圧倒的に不利となります。
また、逃げ・先行馬が多い場合には、ポジション争いがスタート直後から発生しやすく、ハイペースになりやすい理由にもなります。
このような理由や距離的な問題もあり、脚質的には後方からの差し・追い込み馬が上位に来やすいコースです。
ただし、内枠でも差し馬の場合、外から殺到する逃げ・先行馬に邪魔されて、最後の直線でも上手く馬群をさばけない例もありますので注意しましょう。
芝2300m
有名なレースでは使われないコースで、下のクラスの馬が出走する条件戦クラスのレースで、稀に使用されるコースです。
馬のレベルの低さや距離の問題もあり、スローペースで流れることが多いため馬群が固まりやすく、瞬発力のある馬が上位に来やすい傾向があります。
基本的には、枠順関係なく瞬発力のある差し馬が有利と見てよいでしょう。
芝2400m
日本ダービーはじめ、オークスやジャパンカップなど、G1の中でも代表的なレースが行われるコースです。
観客席前からスタートして、ゴール板を通過した後に約350mの距離を走ってから1コーナーへと入ります。
距離の長さもあり、あまり位置取り争いが激しくなることも、ハイペースになることもありません。
スタート位置は、直線の坂がすでに終わった後からですので、その点も気にする必要はありません。
基本的に枠の有利不利はないコース形態ですが、わりと内枠が馬券に絡むのでその点は考慮しておきましょう。
脚質は逃げ馬が不利ですが、極端な追い込み馬も届きにくいので、内枠の先行・差し馬を重視すべきです。
芝2500m
あまり使われないコースですが、目黒記念とアルゼンチン共和国杯という、G1に次ぐメジャーなG2のレースが開催されます。
先ほど説明した2400mと、たった100mしか距離が違わないものの、かなり大きな傾向の違いが出てきます。
というのも、スタート位置が直線の坂の途中にあるので、スタート直後からその坂を上る必要があるからです。
そのため、合計3度の坂を上る形になり、2400m以上にスタミナが問われるコースですから、その点に注意しましょう。
2400m同様にスタート直後からレースは落ち着くものの、ペースにかかわらず差し馬が圧倒的に有利です。
枠順としては内枠外枠の不利は特にありません。
芝3400m
芝3400mは年間でダイヤモンドステークスという、G3のレースのみに使用されるコースです。
スタート地点は向正面の直線からで、最初のコーナーである3コーナーまで約260m程です。
長距離ですから先行争いは起きないものの、外枠はスタート直後からコーナーまで外を回されやすいので、やや不利と言えます。
また、合計4度の坂を上る形になり、距離の長さ以上にスタミナが問われます。
狙い目は内枠の差し馬ですが、長距離実績をより重視しましょう。
ダート1300m
JRAで芝・ダート問わず唯一の距離設定のコースで、条件戦のみで使用されます。
スタートから3コーナーまで約340mとなっている上すぐに上り坂になりますが、距離的にそこそこハイペースになる傾向です。
外枠の馬が好走しやすい傾向にあり、ハイペースでも逃げ・先行馬がかなり残りやすい傾向に注意が必要でしょう。
ダート1400mで成績が悪く、ほかの競馬場のダート1200mまでしか実績がない馬でも、軽視はできません。
ダート1400m
スタートから3コーナーまで約440mと余裕がありますが、スタート直後はしばらく下り坂となるため、ペースが速くなりやすいコースです。
ただし、ダート1300m同様にこのコースでもペースのわりに後方から来る馬は、馬券圏内着順(3着以内)に入りにくい点は同じです。
枠順による有利不利は、ほぼないと断言できます。
狙い目は逃げ・先行馬ですが、このコースで行われるG3の根岸ステークスでは、後方からの馬同士で上位着順に来ることもあります。
条件戦はともかく、オープンクラス以上のレベルの高いレースではその点に注意しておきましょう。
ダート1600m
数少ないダートG1のフェブラリーステークスが開催される、ダートでは日本を代表するコースの1つです。
特に、スタート位置が芝コースであるという点に特徵があります。
芝コースを斜めに横切りつつ、150mほど走ってダートコースへと進入するため、外枠ほど走りやすい芝コースを長く走ることができます。
よって、外枠が有利なコースです。
スタートから3コーナーまでは600m以上ありますが、ペースはそれほど落ち着かない傾向が強く、タフなレースが多くなっています。
ただし、前が残りやすいという傾向は1300~1400mのダートコースと共通で、差し・追い込み馬が不利な点は共通しています。
こちらもダート1400m同様、レベルの高いレースでは差し馬もそこそこ上位に来る点には注意しておきましょう。
ダート2100m
スタート位置は観客席の真ん中あたりですが、すでにゴール前の坂は上り切った後で、1コーナーまで約240mほどです。
ただ、距離的に先行争いが激化することはほぼなく、わりとスローのまま最後の直線まで流れます。
そのため、後方からの馬はあまり上位には来ないものの、距離が長いためか逃げ馬も1600m以下のダートコース程は来ません。
基本的に先行脚質が有利です。
枠順は内枠が不利で真ん中から外枠が有利ですから、その枠順の先行馬に注目しましょう。
ダート2400m
近年は年間に1レースほどしか施行されないため、明確な傾向は出づらいコースです。
基本的には、ダート2100mと傾向は変わらないと見てよいでしょう。
枠順による有利不利はほぼなく、先行脚質の馬を重視しておきます。
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