G1レースの高松宮記念やチャンピオンズカップをはじめ、G2レースの金鯱賞、東海Sなど、芝ダートともに格式の高いレースが行われることもあるのが中京競馬場です。
中京競馬場は、2012年1月までの2年近い大幅な改修工事により、独特なコース形態の競馬場として生まれ変わりました。
では、そんな中京競馬場とはいったいどんな競馬場なのか、特徴などを取り上げながら紹介していきます。
中京競馬場の特徴
中京競馬場の大きな特徴は、ほかのコースと比べてパワーを必要とすることです。
中京競馬場には最後の直線で激しい角度の坂があるため、その坂をパワフルに駆け上がってこられる馬が強いです。これは芝、ダートに共通する特徴なので、覚えておいて損はありません。
さらに、412.5mという直線の長さも特徴的です。これにより、直線での抜きつ抜かれつの攻防は見応えがあります。
ただ、持続的なパワーを必要とするコースのためか、直線は長くても大外一気の追い込みはあまり見かけません。
つまり、インコースから馬場の中ほどぐらいまでを選択した馬が中京競馬場では有利といえます。
芝1200m
中京競馬場の芝1200mは、重賞の高松宮記念やCBC賞が行われるコースです。
芝1200mは通常芝向きのスピード馬が活躍する舞台ですが、中京競馬場の場合は一味ちがいます。単なる一介のスピード馬のみならず、ダートもこなせるようなパワーのある馬が活躍することが多いです。
近年でもダート実績のあるスノードラゴンが、高松宮記念で2着に食い込んだりしています。
ダート実績があれば何でもかんでも狙いというわけではありませんが、少なくとも穴としておさえておいたほうがいいでしょう。
ロードカナロアやビッグアーサーやハクサンムーンのような、一流スプリンターは絶対的なスピードで押し切れますが、そうでなければダート馬も要マークです。
芝1400m
中京競馬場の芝1400mは競馬場に関係なくもともと先行有利ですが、中京競馬場の場合はさらにその傾向が強いです。
内枠の馬がスタート直後に好ポジションをキープし、そのまま直線に入っても押し切ることが珍しくありません。
つまり、重要なのはスタート直後の先行力。
外枠であっても、多少無理をしてでも先行したほうが好結果につながりやすいです。具体的な目安をあげるなら、4コーナーを通過するときの順位が5番手以内だと好走しやすいです。
差しや追い込みもまったく届かないわけではありませんが、届かずの2着3着に甘んじてしまうケースが目立ちます。
芝1600m
中京競馬場の芝1600mが大幅改修によって新設されました。
芝1600mは芝1400mほど前有利というわけではなく、最後の直線までしっかりと脚を溜めていれば、外からの差し切り勝ちも十分可能です。
芝1600mの重賞である中京記念でも、フラガラッハやガリバルディが豪快な追い込みを決めて勝利をもぎ取っています。これは芝1600mという差し追い込みも届きやすい距離が関係しているといえるでしょう。
ただ、そのためには直線までに余計な脚を使わないこと、不利を受けにくい外から追い込むことが、勝ち切るための大まかな条件となっています。
ですので、展開次第でどの馬にもチャンスがあるコースなのです。
芝2000m
中京競馬場の芝2000mは、正面スタンド前からスタートしてコーナーを4つ通過します。
芝2000mは2000mへの適性が高い馬はもちろんのこと、コーナーワークの上手な馬に有利なコースです。
この距離はコーナーの度にポジション争いがあり、それによって有利不利の差が生じます。特に直線でのスパート前となる4コーナーでは、各馬入り乱れるようにして走ることも少なくありません。
人気馬は前が壁になると抜け出せなくなってしまい、実力を発揮できないまま終わってしまうこともあります。そうならないようにするためにはコーナーワークの上手さ、騎手の進路選択、馬場への適性などすべてがかみ合っていないといけません。
つまり、とてもタフで厳しいコースです。
芝2200m
中京競馬場の芝2200mは2000mから200m長くなるだけですが、2000mよりもスローペースになりやすく、差しや追い込みが届きにくくなります。
このコースも先行有利ですが、外枠を引いてしまうとそれだけで苦しいです。
なぜかというと、外枠の馬が先行するためにはスタート後にほかの馬の邪魔をしないよう、気をつけながら斜めに走り、インコースへと切り込まなければいけません。
それだと、内枠の馬と比べてどうしても距離的なロスがあるため、だいぶ不利です。
また、4コーナー先頭か2番手の馬がそのまま押し切ることも少なくなく、後方待機策からの追い込みは分が悪いです。
かなり先行有利なコースといえるでしょう。
ダート1200m
中京競馬場のダート1200mは、スタートセンスがないと苦しくなってしまうコースです。
スタートが上手くいかず出遅れてしまったら、最後の直線はどうしても大外を走らなければいけません。
特にこのコースは逃げ、先行の馬が強いコースです。たとえハイペースになっても最初から逃げ切り勝ちを狙うくらいの馬のほうが、好走する可能性は高いです。
スタートで後手を踏んでしまうと追い上げに脚を使ってしまい、直線での余力は残っていません。
そのため、枠に関係なく逃げられるくらいのスピード・瞬発力があって、スタートの上手な馬に有利なコースといえるでしょう。
ダート1400m
スタートしてからしばらく芝コースを走るのが、中京競馬場のダート1400mの特徴です。
そのため、芝でも通用するようなダッシュ力をもっていると、すんなり先行することができます。
ダート1200mと同様に逃げや先行に分がありますが、距離が200m長いことによってスピードだけに頼った一本調子のレースでは勝てないこともしばしばあります。
前に行った馬の先行争いが激しくなってハイペースになると、最後の残り200mぐらいで脚色が鈍ります。そうなると後ろにいた馬にもチャンスで、ゴール前はガラリと変わっていることも珍しくありません。
ですから、展開次第では差してくる馬にも勝機があるコースといえるでしょう。
ダート1800m
G1ースのチャンピオンズカップも行われる中京競馬場を代表するコースです。
ポイントは、スタートしてから1コーナーまでのポジション取りのため内枠が有利です。最初に前のポジションを確保できれば、よほどハイペースにならない限り実力を発揮できます。
チャンピオンズカップ2着、東海Sで1着と先行して実績を残しているテイエムジンソクが良い例です。そのため、先行できるような脚力、そして内枠に恵まれることが大切です。
ただ、チャンピオンズカップでテイエムジンソクを負かしたゴールドドリームのように、後ろにいる馬が絶対届かないわけではありません。
ですので、馬券を買うなら先行の馬と差しの馬を両方マークしておいた方が無難なコースでしょう。
ダート1900m
ダート1800mより100m長いだけですが、1コーナーまでにだいぶ距離がありますので、少頭数なら外枠の馬でも先行することが可能です。1コーナーまでに気合いをつければ前へ行けます。
ただ、多頭数になってしまうとそういうわけにもいかないので、内枠先行が有利なのは1800mとそれほど変わりません。
ダート1900mは、中京以外で京都のコースにも存在します。京都とは右回りと左回りで違いはあるものの、そこさえ克服できれば中京でも好走する可能性は十分あります。
あまり行われない距離だからこそ、1900mを得意とする馬がいるならその馬は軸として頼りになります。
中京のダート1900mは、なかなか特殊なコースといえるでしょう。
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