阪神競馬場は、JRA(日本中央競馬会)の4大競馬場の1つで、兵庫県宝塚市と西宮市にまたがった場所にあります。
京都競馬場と共に、関西地区の多くの主要重賞が行われる競馬場として親しまれています。
そのなかでも最上位のG1レースでは、大阪杯、桜花賞、宝塚記念、阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークスの5つのレースが行われ、多くの観客を集める競馬場です。
目次
阪神競馬場の特徴
芝コースの3コーナーから4コーナーにかけて、外回りと内回りの2つのコースがあるのが最大の特徴です。
外回りコースは右回りとしては最長の、1周約2,090mもあります。
最後の直線は、外回りコースが約474m、内回りコースが約357mとなっており、こちらも右回りの競馬場としては外回りコースの直線は最長です。
また、ダートコースの直線も約353mで坂もあることから、かなりタフなコースです。
特徴(1)1~2コーナーのスパイラルカーブ
1コーナーから2コーナーにかけて、スパイラルカーブが導入されています。
スパイラルカーブとは、カーブの進入口が緩くて出口がキツイ形状をしているカーブを言います。
特徴(2)長いバックストレッチがある
2006年の外回りコース新設の改修以降、阪神競馬場のバックストレッチ(向正面の直線)は、内回りコースよりも100m以上延長されました。
特徴(3)ゴール前に急坂がある
1991年の大規模改修の際に、それまで平坦だった直線にゴール前の坂が設置されました。
高低差は2mもありませんが、短い距離で急激に上るため、中山競馬場の急坂に匹敵するものとなっています。
特徴(4)開催後半はパワー型、差し馬が有利
開催時期によっては、馬場がかなり荒れてくることがあります。
その場合、パワーのある馬が台頭したり、馬場の内側が伸びなくなったり、差し馬が有利になる傾向が出て来ます。
芝1200m(内回り)
このコースは内回りコースを使用します。
3コーナーまで240m強ほどしかなく、先行争いはわりと激しくなります。
しかし、なだらかな下り坂が直線の坂まで続くことや、距離と直線の短さもあり、下級条件のレースでは、距離的にも前に行く馬が残るケースが多いです。
また、3コーナーまでの距離がないことから、基本的に内枠が有利なコースでもあります。
ただし、先行争いが激化することで、1枠は馬群に包まれやすく意外と不利になっていることに注意しましょう。
狙い目としては2枠です。
芝1400m(内回り)
こちらは1200mよりスタート地点が下がるため、2コーナーからやや奥のポケットより発走します。
3コーナーまで約440m強あり、あまり先行争いが激しくならないため、距離の面でも必然的に逃げ・先行馬が残りやすいです。
一方で、先行争いが激しくなる上級レースでは、逆に差し馬も馬券に絡みやすくなります。
枠順としては1枠がかなり有利になっていて、その点が1200mと違うところです。
芝1400m(外回り)
スタートから3コーナーまでの距離など内回り1200mと似た設定ですが、最後の直線が長くなることで、やや差し馬有利のコースとなっています。
枠順に関しては内枠有利となります。
ただし、阪神競馬場に設定されているものの、現在実際に行われるレースはありません。
芝1600m(外回り)
阪神競馬場の芝1600mは外回りコースを使用し、桜花賞、阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークスの3つのG1が行われる主要コースです。
スタートは1200mと同じで、3コーナーまでは約440m強と、先行争いはさほどありません。
そのため、枠順としては外枠が意外と有利です。
最後の直線が長いため、流れが厳しくなる上級レースほど差し馬が台頭しやすくなりますが、下級条件のレースでは逃げ・先行馬も残ります。
芝1800m(外回り)
芝1800mも外回りコースを使用し、1400m(内回り)と同じ位置のポケットからスタートします。
3コーナーまでの距離が600m以上もあるので、枠順の有利不利はとくになくスローペースで流れます。
そのため、馬群が固まったままで直線まで向くという瞬発力勝負のレースになりやすいです。
脚質は問わず瞬発力勝負に長けた馬が馬券対象となります。
枠順も脚質も気にせず、コース適性のある馬を重視しましょう。
芝2000m(内回り)
阪神競馬場の内回りを1周するコースで、新設G1の大阪杯(G2時代の産経大阪杯が昇格)が行われるコースです。
1コーナーまでの距離が約325mとそれほど長くないものの、スタート後に直線の坂があるので先行争いは激しくならず、スローペースで流れやすくなります。
中距離のわりに逃げ・先行馬が残りやすいのも特徴ですが、3コーナーから4コーナーにかけて、一気に仕掛けるマクリ戦法の馬も急激に台頭してくるコースです。
枠順に関してはとくに気にする必要はありません。
芝2200m(内回り)
芝2200mは内回りで、春のグランプリレースである宝塚記念が行われるコースです。
内回りではありますが、外回り直線部分の出口付近からスタートするため、全体的な直線部分の割合はかなり高いコースとなっています。
1コーナーまで520m以上あることから、わりとスローペースでレースは流れます。
そのため、枠順による有利不利はありません。しかし、6枠の勝率だけかなり低いです。
距離のわりに意外と逃げ・先行馬が残ることも多く、その点は気を付けておきましょう。
そして、瞬発力よりも持続力が要求されるコースで、直線の瞬発力だけのごまかしが利かないコースでもあります。
芝2400m(外回り)
芝2400mは外回りコースで、芝2000mと同じ位置からスタートします。
2200mと距離は200mしか違わないものの、かなりスローペースになることが多いです。
また、逃げ馬やマクリという極端な脚質の馬も活躍することから、持続力やスタミナ以上に瞬発力が問われます。
この距離は少頭数になりやすいこともあり、枠順はあまり気にする必要はありません。
芝3000m(内回り)
天皇賞(春)の前哨戦である、名物レースの阪神大賞典(G2)でのみ使われる、内回りを1周半するコースです。
3000mという距離から、基本的にスローペースで流れる上、頭数もそれほど多くならないので、枠順も気にする必要がありません。
一方で、3コーナー付近からロングスパートになる傾向が強く、単純な瞬発力勝負にもならない特徴があります。
パワーとスタミナを兼備している馬を選べるかがカギとなり、人気・実力通りに決まるコースです。
ダート1200m
スタートから3コーナーまでの距離は約340m強と短く、距離的にも先行争いが激しくなります。
そのため、一般的にダート1200mは圧倒的に逃げ馬が有利なのですが、直線の坂やハイペースで先行馬はもちろん、差し馬が馬券に絡むこともあります。
なお、枠順による大きな有利不利はありません。
ダート1400m
スタートから3コーナーまでの距離は約540m強と、長いわりに先行争いは激しくなります。
その理由として、スタートから約150mほど芝を走ることと、外枠の方が芝部分の距離が長いことで行き足がつきやすく、内枠とのポジション争いが激化しやすいことが挙げられます。
枠順は芝スタートの影響もあり外枠がかなり有利で、ダート短距離とはいえ逃げ馬はそれほど勝ません。
狙うなら外枠の先行馬がいいでしょう。
ダート1800m
ダートコースを1周し、スタートから1コーナーまで約300mと短いうえに、距離的にも先行争いが激しくならないことから、逃げ・先行馬が粘りやすいコースです。
枠順による有利不利はなく、脚質と適性を重視すべきコースといえるでしょう。
ダート2000m
ダート1400m同様、スタート位置が芝コースにかかっているものの、走行区間は約80mほどであり、ダート1400mのような大きな影響は受けません。
スタートから1コーナーまで約500mもあることから、前半からスローペースになりやすく、ダート競馬にしては後半勝負のレースになりやすいです。
一方で、ダート競馬の特徴から、直線だけの競馬では厳しく、先行馬が台頭しやすくなります。
後方からの脚質の馬の場合、早めに4コーナーで前目に進出できる、マクリ戦法を取れる馬を選ぶべきです。
枠順は3枠と4枠がやや不利な傾向ですが、内と外で大きな差はないと言えます。
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